あるとき、泥水の池に周りの植生が鮮明に反射していた。日向の水に虚像は映らず、木陰にのみ現れて、飴坊の一匹もいない水面は波打たず静まりかえる。あれはきっと水中に泥の一粒一粒が分散して/深緑色を受け止め/草木、虚像、水中に生きものと死んでいるもの、非存在とを抱えている、賑やかに—などという妄想をする際にその科学的な正しさはさして重要ではない。日常の搾り滓のようになりながらも、考えを自由に走らせ、それと同じ速度と抽象性をもって描こうとすることは、ある種の精神の避暑地へ向かうことであり、同時に火を焚きつけることでもある。その性質を最後の表面にも残せるだろうか。絵具もまた泥、泥のペースト。泥濘の島は、泥水の中にあってなおよく光る泥の島である。
Photo by Viento Arts Gallery
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イベントは11/2に Related events on Nov. 2
個展終了 Solo Exhibition finished
“遭難のとき”
自分で拵えた山に分け入り、気づけば道に迷っている。
全てのストロークはかたちを辿るための言葉、
囁きに耳を欹てて一つ一つ返答し、対話の先にもう一度道を築いてみる。
“Lost in the Mountains”
The mountains I have made take me to a place where I get lost. The brushstrokes are like a chain of words that trace and translate forms of the painting. I listen closely to whispers while answering them one by one and hope that new information will be transmitted after this quiet dialogue takes place.
四万/旧第三小学校
Former Daisan Elementary School, Shima area
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